皮膚疾患の例
陥入爪(かんにゅうそう)
深爪やきつい靴などで爪の角が皮膚に食い込んで赤く腫れ、激しい痛みを起こす状態です。第1趾(足の親指)に多く、軽症ならテープで皮膚を引っ張る処置や痛み止めの内服などで対応します。改善しない場合や肉芽ができている場合は、爪除去術や肉芽の凍結療法が必要になることがあります。
イボ(尋常性疣贅)
ウイルス感染によるもので、主に手足に多く見られます。治療は、-196℃の液体窒素を当てる「液体窒素療法」が中心で、合わせてヨクイニン(漢方薬)の内服やサリチル酸ワセリンによる外用療法などを行うことがあります。
水虫(足白癬)
白癬菌が足底や足趾の間に感染し、3つのタイプ(汗疱状型、趾間型、角化型)に分類されます。汗疱状型は足底、足縁、趾腹に小水疱がみられたり、皮がむけたりして強いかゆみを伴います。趾間型は趾間が白くふやけ、時に皮膚が剥がれたてじゅくじゅくした状態になります。角化型は足底全体がかさかさして硬くなり、ひどくなると皮膚に亀裂が生じて痛くなります。
治療は抗真菌薬の外用が基本で、亜鉛華軟膏をガーゼに塗って保護したり、角化が強い場合はサリチル酸ワセリンで角質をやわらかくしながら治療します。外用でも改善しない場合は内服療法を考慮します。
治療は抗真菌薬の外用が基本で、亜鉛華軟膏をガーゼに塗って保護したり、角化が強い場合はサリチル酸ワセリンで角質をやわらかくしながら治療します。外用でも改善しない場合は内服療法を考慮します。
汗疱(かんぽう)
手のひらや足の裏の皮がむけたり、小さい水ぶくれ(小水疱)ができて痛がゆくになることがあります。汗かきの方がなりやすく、再発しやすいです。
治療はステロイド外用と、必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服を行います。
治療はステロイド外用と、必要に応じて抗ヒスタミン薬の内服を行います。
しもやけ(凍瘡)
寒さと温度差が原因で、小動脈と小静脈の血行不良が起こり、指先が赤く腫れてかゆみや痛みが出る状態です。気温4~5℃で朝昼の気温差が10℃以上になる時期に多く発症します。
治療は、保温と湿気を避け、ステロイドや凍瘡軟膏の外用、マッサージ、さらにビタミンEや血行を改善する漢方薬を内服することがあります。
治療は、保温と湿気を避け、ステロイドや凍瘡軟膏の外用、マッサージ、さらにビタミンEや血行を改善する漢方薬を内服することがあります。
手荒れ
家事をする主婦にみられることが多く、主婦手湿疹と言われています。できるだけ外からの刺激を避けるために特に食器を洗うときは洗剤や水の刺激を避けるために綿の手袋をしてから薄手のゴム手袋を重ねてはめることを勧めます。
治療はステロイドの外用と亀裂が見られる時はステロイドのテープか亜鉛華単軟膏のガーゼで患部を保護します。かゆみがあるときは抗ヒスタミン薬を内用します。
治療はステロイドの外用と亀裂が見られる時はステロイドのテープか亜鉛華単軟膏のガーゼで患部を保護します。かゆみがあるときは抗ヒスタミン薬を内用します。
魚の目(鶏眼)
足底や指の間に長時間の圧力や摩擦がかかることで生じる硬い芯のような部分です。外見がイボと似ているため、鑑別が必要です。
歩行時に痛みがある場合はスピール膏を貼ったり患部を削ったりして除去します。
歩行時に痛みがある場合はスピール膏を貼ったり患部を削ったりして除去します。
帯状疱疹
過去にかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが体内の神経節に潜んでいて、免疫力の低下やストレスなどで再活性化すると帯状疱疹として発症します。片側の皮膚に赤い発疹や水ぶくれが帯状にでき、痛みを伴うのが特徴です。
治療は抗ウイルス薬(バラシクロビル、アメナリーフなど)やビタミンB12製剤、痛み止めの内服を行います。
高齢者は帯状疱疹後神経痛といい、数ヶ月、時に一生痛みが残ることがあります。その為50歳以上の方は予防ワクチンの接種(シングリックス)が推奨されています。
治療は抗ウイルス薬(バラシクロビル、アメナリーフなど)やビタミンB12製剤、痛み止めの内服を行います。
高齢者は帯状疱疹後神経痛といい、数ヶ月、時に一生痛みが残ることがあります。その為50歳以上の方は予防ワクチンの接種(シングリックス)が推奨されています。
単純ヘルペス
初めて感染したときは症状が出にくい場合も多く、疲れやストレス、日光暴露などで免疫力が落ちると、口唇や外陰部などに小さな水ぶくれが出たり、ただれたりします。
治療は抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)の内服で症状を抑えますが、性器ヘルペスを頻繁に再発する方は、再発予防として毎日バラアシクロビルを1錠内服します。また、口唇ヘルペスは症状が出始めたらすぐアメナリーフやファンビルを内服する再発予防法があります。
治療は抗ウイルス薬(バラシクロビルなど)の内服で症状を抑えますが、性器ヘルペスを頻繁に再発する方は、再発予防として毎日バラアシクロビルを1錠内服します。また、口唇ヘルペスは症状が出始めたらすぐアメナリーフやファンビルを内服する再発予防法があります。
毛嚢炎とおでき(せつ)
毛穴から細菌が入り込むと毛嚢炎という小さな赤い腫れが起こります。さらに炎症が広がり、毛穴周囲の組織まで侵されると「せつ(おでき)」になり、痛みと腫れが強くなります。
治療は抗生剤の内服や外用が中心です。
治療は抗生剤の内服や外用が中心です。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
細菌が皮膚の深い層で感染を広げると、皮膚が広範囲に赤く腫れて痛む状態になります。特に下腿に多く、治療には抗生剤の内服が必要です。
上記の内容はあくまで一般的な説明で、個々の症状や治療方針は患者さんごとに異なる場合があります。
詳しい診断や治療のご相談は、医師に直接おたずねください。